
FrameMakerで作成された中国語のファイルをある環境で開くと、「宋体」や「黑体」フォントは使用できないといわれることがあります。
システムロケールを変更する
「宋体」や「黑体」というフォントはWindowsで標準インストールされていないフォントなのでしょうか。いいえ、そうではありません。
このようなことが起こる原因は、Windowsのシステムロケールが「中国語」であるか「日本語」であるかの違いにあります。
それでは試しにシステムロケールを「中国語」に変えてみましょう。
Windows 7の場合で説明しますが、「コントロールパネル」の「キーボードまたは入力方法の変更」を開きます。
[ 管理 ]タブを選び、[ システム ロケールの変更 ]ボタンを押します。
「現在のシステム ロケール」を[ 日本語 (日本) ]から[ 中国語 (簡体字、中国) ]に変更し、[ OK ]ボタンを押します。
再起動の必要がある旨メッセージが現れますので、[ 今すぐ再起動 ]ボタンを押します。
そうすると、「宋体」や「黑体」フォントが使用できないというエラーは出なくなります。
エラーが出る原因
システム ロケールが[ 日本語 (日本) ]だとエラーが出て、[ 中国語 (簡体字、中国) ]だとエラーが出なくなるのは何故でしょうか。
これは、フォントの名称がシステム ロケールによって変わることによります。
コントロール パネルのフォントには、Windows標準の中国語簡体字フォントとして「SimHei」と「SimSun」がインストールされています。
そして、システム ロケールが[ 日本語 (日本) ]のときに「SimSun」を開くと、フォント名は「SimSun」ですが、[ 中国語 (簡体字、中国) ]のときに開くと「宋体」となります。
つまり同じフォントなのにロケールによってフォント名が変わるため、それをFrameMakerは別のフォントとして認識してしまうわけです(ちなみに、Wordだと同じフォントだと認識してくれるので、このようなトラブルがありません)。
たとえば、メーカーが制作会社に制作を依頼したとき、制作会社ではシステム ロケールを[ 中国語 (簡体字、中国) ]にして制作していて、納品されたデータをメーカー側で開こうとすると、このような事態に遭遇します。
「宋体」を「SimSun」に、「黑体」を「SimHei」に変えたい場合
では、もし「宋体」を「SimSun」に、「黑体」を「SimHei」に変えたい場合どうすればよいでしょう。ここでは、一旦MIFにして、中のフォント情報を置き換えた後で開くという、以下の方法をひとつの解決方法として紹介します。
1. システム ロケールを[ 中国語 (簡体字、中国) ]にします。
2. ファイルを開き、MIFに保存します。
3. システム ロケールを[ 日本語 (日本) ]にします。
4. MIFファイルをテキストエディタで開き、以下のように、「宋体」を「SimSun」に、「黑体」を「SimHei」に置換します。
変更前 | 変更後 |
---|---|
<FPlatformName `W.宋体.R.400'> <FFamily `宋体'> |
<FPlatformName `W.SimSun.R.400'> <FFamily `SimSun'> |
<FPlatformName `W.黑体.R.400'> <FFamily `黑体'> |
<FPlatformName `W.SimHei.R.400'> <FFamily `SimHei'> |
5. MIFファイルを保存します。
6. MIFファイルをFrameMakerで開き、FrameMakerファイルとして保存します。
この方法をとることによって、システム ロケールが[ 日本語 (日本) ]の環境で開く際に、「宋体」や「黑体」が使用できないというメッセージはFrameMakerコンソールに現れなくなります。