
情報を「探しやすい」マニュアルが必要!
読み手にとっての「探しやすさ」を考えてレイアウトすることは、マニュアルを作成する上での重要な課題です。
皆さんは、何かしらの製品を購入したときに、このような疑問が沸いたことはないでしょうか。
- とある目的があって製品を購入したけれど、操作方法がよくわからない。
- 製品を操作していたら、見たことのない画面が表示された。
- 急に製品が動かなくなってしまった。壊れたのかも?
このような時、まずはマニュアルを読んでみよう、と思う方が多いのではないかと思います。
しかし、いざマニュアルを開いてみて、どこに何が書いてあるのかよくわからないとしたらどうでしょうか?
大抵の人は、製品に対して不満を抱き、製品を買ったことを後悔してしまうのではないでしょうか。自分では理解できないと思い、コールセンターや問い合わせ先へ連絡をする手間が生まれますし、最悪の場合、もっと操作しやすい他の製品を買い直すしかない……と思う方もいると思います。
これは製品のメーカーにとっても消費者にとっても不幸な出来事です。そのような事態を避けるためにも、メーカーは情報を「探しやすい」マニュアルを作成する必要があります。
「探しやすさ」を高める、5つのポイント
1. 目次について
書籍の中に書かれている情報を探す際、多くの人はまず目次を確認するでしょう。
そのため、目次を作る際には読み手にとっての探しやすさを考えて、下記のような点に配慮しましょう。
- 「安全にお使いいただくために」など、わかりやすいキーワードで章立てをしていく
- 章、項目の階層を深くしすぎない(3階層程度にとどめる)
2. ヘッダー・フッターについて
ヘッダーやフッターに次のような情報を載せることで、ぱらぱらとページをめくるだけでも、どこに何が書かれているか判別しやすくなります。
- 章番号
- 章(項目)の見出し
3. ノンブル(ページ番号)について
ノンブル(ページ番号)の付け方を工夫することで情報を探しやすくする方法もあります。ノンブルの付け方には下記の2種類があります。
- 通しノンブル(1, 2, 3, 4~など、1ページ目から順番に数字を振る方法)
- 別ノンブル(1-1, 2-1~など、章や項目ごとに数字を振る方法)
市販の書籍では通しノンブルを用いる場合が多いですが、ページ数の多いマニュアルでは、別ノンブルを使用することで、読み手が現在どの章を読んでいるかわかりやすくできます。
4. インデックスについて
辞書などのページ数が多い書籍は、ページをめくらずとも章がわかるよう、インデックスを付けているものが多くあります。マニュアルでもこの方法を取り入れている企業が少なくありません。
なお、インデックスを付ける場合は、印刷の際の裁ち落としを意識して仕上がりサイズを設定する必要があります。
5. 索引について
索引を設定することで、単語から情報を探すことができます。複雑な機能を持つソフトウェア等のマニュアルでは、巻末に索引を付けることで、読み手にとって情報をより探しやすくできるでしょう。
書式を統一するために
上記のように、読み手にとっての「探しやすさ」を意識して書式を設定することは、マニュアルを作る上でとても重要です。
しかし、たくさんの分冊や派生機種のマニュアルを作らなければならない場合、一度作った書式のルールが少しずつ守られなくなってしまう可能性があります。書き手が複数人に分かれてしまったり、作る際に単純な見落としをしてしまったり、様々な原因によってそれは起こりうるものです。