
「文章を書く」と聞いて真っ先に浮かぶのは……?
- 小説
- 新聞
- 雑誌
「文章を書く人」と聞いて真っ先に浮かぶのは……?
- 小説家
- 新聞記者
- 雑誌記者
文章を書く人のことをライター(writer)って言いますよね。
では、ライターって誰でしょう。
作家、文筆家、著述家、物書き、作曲家、記者、etc.など思い浮かぶと思います。
テクニカルライターとは?
「小説家」や「記者」をライターと表現することは少ないように思いますが、文章を書く行為はライティングですから、総じてライターなんじゃないでしょうか。
SNSに投稿する人だってライティングをして投稿するわけですから「ライター」ですよね。
色々なジャンルにライターは存在しますが、昨今「テクニカルライター」って言葉も耳にしたり目にしたりしませんか。
テクニカルライターって何をする人でしょうか。
文章を書く人(ライター)であることは、想像に難くないと思います。
それでは「テクニカル」は……?
技術的、専門的、学術的ってワードが思い浮かぶと思います。
そうです。テクニカルなライティングをする人をテクニカルライターと呼び、テクニカルライターが文章を作成することを「テクニカルライティング」と言います。
文献によれば、テクニカルライティングは1950年代以降に生まれた言葉で、1970年代前後から広く普及し始め、1980年代以降さらに必要性が高まってきたと記されています。
テクニカルライティングとは
では、テクニカルライティングで作成される文章って、どのようなものでしょうか。
主なものとして取扱説明書、保守手順書、研究論文などが挙げられますが、企画書や告知書なども含まれることがあります。
もちろん雑誌だって科学雑誌、技術雑誌もありますから雑誌の記者の方もテクニカルライティングをされています。
簡単に言ってしまえば、「現実に存在する事物とか理論」でしょうか(逆に難しいですね)。
技術的、専門的、学術的なことを説明するための文章を書くこと、または書く技術を指します。
テクニカルライティングにより作成される成果物は、非常に多岐にわたります。
ここですべてを紹介することはできませんが、身近なところで言えば家電製品の取扱説明書(以下「取説」)があります。
一般的に家電製品を購入したユーザーが取説を見るのは、購入当初に操作する方法を習得するためか、製品が動かなくなったときだけでしょう。しかし、取説の裏側にはテクニカルライターの努力が隠れているのです。
努力1:判読性(分かりやすさ)
努力2:可読性(読みやすさ)
努力3:視認性(見やすさ)
努力4:安全性(注意喚起など)
また、上記努力に加えてコストを意識しなくてはなりません。
最近では特にコストを重要視する風潮がみられます。取説も製品の一部ですから、良い取説を作ってもコストがかかりすぎてしまうと、製品に影響を及ぼしかねません。
すべて重要な要素ですが、テクニカルライターとしては、特に判読性に関して技術を発揮する必要があります。対象物についてよく理解し、実際に操作する要領を分かり易い文章で記述することが必要です。
対象製品がどのような「原理」、「機能」、「構造」であるかを理解し、確実な操作を行える文章を考えます。対象製品を理解しているからこそユーザーに危険が及ばないように安全性も考慮した文章を作成することができるのです。
余談ですが、PL法(製造物責任法)が1995年に施行されて以降、取説には危険、警告、注意の文字が躍っているように見えませんか。
冗談めいて、「この取説は、危険、警告、注意が一杯だな」「そんなに危ない製品を売るなよ」と言う声も耳にしました。確かに、もしものことを想定するとキリがありませんから、度が過ぎれば必要以上に危険な印象を与えてしまうのかもしれませんね。
つまりテクニカルライティングとは、
- ライティング技術をマスターしている
- 記述する対象に関しての知識を有している
- さらに技術的内容を理解している
上記を満たすライターが、対象に関しての報告書、説明書などの文章を書くこと。
物を知らずしてテクニカルライターは務まらないということです。